世界の厠から

趣味は海外旅行

 今回の記事のテーマは海外旅行です。そもそも僕のようにお腹が緩みやすい人は、国内旅行はおろかちょっと遠くの町まで行く時も利用できるトイレの位置を常に気にしなければないと思います。そんな僕の趣味が海外旅行と言えるようになったのは、何度か一人旅を重ねて自信をつけた25歳くらいでしょうか。

 ちなみに、どうでもいいおっさんトークを挟むと、今から30年くらい前までは駅のトイレには紙がなく、トイレの前にある自販機でトイレットペーパーを購入する必要がありました。ちょっと多めのポケットティッシュみたいなのが100円で売ってたのを記憶しています。今はどのトイレに行っても紙がある本当にいい時代になりましたね。

 閑話休題。さて、こちらの記事で書いたとおり、大学2年までは胃の調子が悪くて海外旅行どころではありませんでしたが、胃の調子が回復してくると、高校の同級生が海外旅行を楽しんでいる話がちらほら聞こえてきて興味が出てきました。ただ、海外旅行に行くのはなぜか女子ばかりで、純粋な興味だけではなく、「男子は出不精でだらしない。ならば俺が行ってやろう」という気持ちもあったと思います。

 

肌にあったタイ・カンボジア

 もちろん、お腹がが緩いのに海外に行ったら大変なことになるんじゃないか、という心配はありました。なので、最初の旅はどんなことがあっても頼れる気心の知れた友達と、男二人で行くことにしたのです。行先は、複数の同級生から話を聞いて良さそうだから、という理由でタイ・カンボジアにしました。その日の宿をその日に決める、気ままな旅で、10日くらいの旅程だったと思います。

 結果は…、すごく快適でした!タイはバイクや車の排ガスが臭かったけど、温暖な気候が最高で。いや、よく考えたら、正確にはカンボジアで1日だけお腹を急激に下したことがあって、トイレに間に合わずほとんど日没だったから闇に紛れて河原で野グ…キジ撃ち(※)したことを思い出しましたが、なんというかそれは旅行中の一瞬の出来事でした。むしろ相方の方が最後の方の日程で1日間くらい腹下しでダウンしていたくらい、僕の方は何ともなかったのです。快適で安くて美味しいタイ、強烈な印象を残すアンコールワットカンボジア、また行きたいな。

※キジ撃ち…山岳用語で、平たく言うと野グソ。

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一方、フィリピンは…

 翌年、調子に乗って1人でフィリピンに行きました。フィリピンの大学に留学していた友達がいたからです。フィリピンは…美味しくありませんでした。焼き魚に赤いバナナケチャップを付けて食べていましたが、なんだか味気ないのです。味だけでなく、1週間くらい過ごしたところでだんだんお腹が緩んできました。もう、ゆるゆるで。日本で食べた方がおいしそうな紫色のハロハロにも食指が動きません。なのに、25日間もの旅程を組んでしまったので、後半は全然楽しめなかったのを記憶しています。5つの島を転々としていたのですが、その時々で旅を共にした日本人や現地の方には大変お世話になりました。家に泊めてくれたおばあちゃん、まだ元気にしているかな?

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旅のスタイルが確立したイギリス・アイルランド

 この調子で各旅行のことを書いていくとキリがなくなるので、巻きで書きますが、次の年はイギリス・アイルランドに一人旅で行きました。この頃はお腹も安定していてお腹のピンチは少なく…とはいえ、1つだけ思い出すのは、ジャイアンツコーズウェー(巨人の石道)という奇観を歩いて見に行った時、たぶん1日中歩いていたと思うんですが、歩きすぎて夕方やっと着いたバス停のトイレでお腹を下しました。いや、下したことはもはやどうでもいいんですが、勢いよくトイレに入って用を足したため、紙がないことに気づいても後の祭り。幸い隣の個室に人がいたので拙い英語で紙を分けていただいたのが良い思い出です。

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急転直下的まとめ

 その後も、ヨーロッパ各国、トルコや南米など、計20か国以上回ったかと思います。IBSが改善傾向にあったから行けたとも言えますが、旅行中なのでお腹のトラブルはたびたびありました。とはいえ特筆すべきことはなく、どの旅行もいい思い出になりました。

 今若い方でIBSで苦しんでいる人には海外旅行なんてもってのほか、と考えている人もいるかと思います。確かに、症状がひどいうちは行けないでしょうが、少しでも改善してきたときにでも、実際に行ってみると、僕が最初に行ったタイのように、「むしろ日本よりも快適に過ごせる!」みたいな国に出会えるかもしれません。

 多くの人にとって緊張や安堵を繰り返す旅行にお腹のトラブルはつきものです。そのため、むしろ日本にいるより気兼ねなく人を頼ることができると思います。また、無事に帰ってくると、一種の達成感も味わえ、自信につながります。無責任にお勧めはできませんが、そんなこともあるんだ、程度に心に留めていただければ幸いです。